冬の睡眠の質は 夕食のタイミングと 夜の光と温度が決める

2025年12月11日

冬になると「眠りが浅い」「朝起きられない」「夜になると冴えてしまう」という声が一気に増えます。 実際、整体の現場でも 冬季だけ睡眠状態が悪化する人は非常に多いのです。

その理由は単純ではありません。

寒さのストレス、日照時間の減少、活動量の低下、栄養バランス、姿勢の乱れ……そして 自律神経と体内時計(サーカディアンリズム)の季節性変動 が深く関わっています。

今回は、冬の睡眠改善に特に効果が高い 「夕食のタイミング」と「夜の光・温度コントロール」 の2点を中心に、身体のメカニズムを整体的視点から深掘りしていきます。


1. 冬はなぜ “眠れなくなる” のか?

冬の睡眠トラブルには、必ずと言ってよいほど共通する背景があります。

① 交感神経が優位になりやすい

寒さによる「体温保持」のため、身体は軽い緊張状態が続きます。

肩をすくめる、背中が丸くなる、呼吸が浅くなる……。

これらはすべて交感神経を優位にし、寝付きの悪さに直結します。

② メラトニン分泌の乱れ

メラトニン(睡眠ホルモン)は 光の量と時間 に強く影響されます。

冬は暗くなるのが早いため、体内時計が後ろにズレやすい。その結果、「眠い時間が夕方にきて、夜はむしろ冴える」という逆転現象が起きやすくなります。

③ 深部体温のコントロール不全

眠りにつくためには、深部体温(Core Temperature)がゆっくりと下がる 必要があります。 しかし、冬は寒さで体表が冷えすぎてしまい、深部体温との落差が崩れます。

ここがポイント “身体の温度の階段” が上手く作れなくなる → 寝つけないという現象が起こるわけです。

冬の朝に眠れず疲れた表情で目覚める様子と、光を浴びて快適に目覚める様子を対比したイラスト。睡眠の質の違いを示している。

冬は光と生活リズムの違いで、朝の目覚めが大きく変わります。睡眠環境を整えることが快眠の鍵です。


2. 「夕食は18時」──睡眠の質を決める最大の習慣

ここで大事になるのが今回のテーマである以下の2つの生活習慣です。

  1. 夕食を早めに終える(理想は18時)

  2. 夜の光と温度を整える(暗め・温めすぎない)

整体師として現場で何百人と睡眠相談を受けてきましたが、改善率が一番高いのは 「夕食のタイミングを早くする」 です。

なぜ、夕食が遅いと眠れないのか?

答えはシンプル。

夜遅く食べると、身体は寝ている間も 消化で“働き続けてしまう” からです。

消化は副交感神経の仕事と思われがちですが、実際には「内臓が活発に働く=身体が活動モード」です。

つまり、以下の悪循環が生まれます。

【負のループ】 夕食が遅い → 交感神経が切り替わらない → 深部体温が下がらない → 寝られない

特に冬は体内時計がズレやすいため、たった1〜2時間の夕食の遅れでも睡眠リズム全体が崩れやすい季節です。

「18時夕食」のメリット

  • 消化が終わる頃(21〜22時)に深部体温が自然に下がる

  • 副交感神経が優位に切り替わりやすくなる

  • 腸が休まり、翌朝スッキリ起きやすい

  • 自律神経の昼夜リズム(交感→副交感)が整う

臨床で見てきた実感としても、夕食時間の改善は 「睡眠の質・朝の活力・自律神経の安定」 に、ほぼ即効性があります。

背骨の硬さ(胸椎の動き)が改善するケースも多く、これは「副交感神経優位の時間がしっかり作れている」証拠です。

夕食時間と睡眠の関係を説明するイラスト。18時の早めの食事は睡眠に良く、22〜23時の遅い食事は胃腸の負担や睡眠の質低下につながることを示している。

寝る直前の食事は消化が追いつかず、睡眠の質が下がる原因になります。夕食は早めに終えるのが理想です。


3. 夜の“光”を整えると、冬の睡眠は劇的に良くなる

冬の睡眠障害の最大の原因が 光の管理ミス だと言っても過言ではありません。

冬はメラトニンが乱れやすい

夜に明るすぎる部屋で過ごしていると、脳は “まだ昼だ” と勘違いし、眠気がこないまま深夜まで覚醒し続けます。

逆に夕方に暗くなるのが早いため、「夕方に眠くなる → 夜に冴える → 朝起きられない」というリズム崩壊ループが起きやすくなります。

部屋を暗めにすることの意味

夜の照明を落とすことは、メラトニンの生成スイッチを自然に入れる行為です。

  • 20時以降は暖色(オレンジ)照明にする

  • 天井の照明を使わず、間接照明だけにする

  • スマホの光刺激を減らす(画面を暗く、ナイトモード)

これだけで、翌日の寝起きがガラッと変わります。

光環境を見直した患者さんは、胸椎(特にT6〜T9)の緊張が明らかに緩みやすくなります。

これは「光環境の改善 → 副交感神経優位 → 呼吸が深まる」という生理反応の表れです。

冬の夜、暖色の照明の中でリラックスしながら読書をする人。睡眠の質を高めるために光環境を整えた室内の様子。

冬の睡眠を整えるには、強い光を避けた「暖色の間接照明」が効果的とされています。


4. 「暖めすぎない」──冬こそ寝室は“低めの温度”が正解

意外に知られていませんが、冬の睡眠の質を下げる最大の敵は**「暖めすぎ」**です。

深部体温は “下がっていく時” に眠くなる

寝る時に必要なのは、“身体を温めること” ではなく、“深部体温がゆっくり下がること”。 暖房を22〜24℃でつけっぱなしにすると、深部体温の下降が妨げられ、寝付きが悪化します。

理想的な寝室温度

  • 室温:16〜19℃がベスト

  • 布団の中:32〜34℃が最適

  •  湿度も重要です。50%以上を心がけましょう

つまり部屋はやや寒いくらいで良いのです。温めるべきは身体の中心部ではなく、「手足(末梢)」と「体表」のみです。

寝室の温度を下げると、背骨(特に腰椎〜仙骨)の硬さが翌朝まったく違います。これは深部体温がしっかり下降し、抗重力筋の緊張がリセットされている証拠です。

寒い冬の寝室で眠る人を示したイラスト。室温18℃の環境と身体の温度分布がサーモグラフィーのように表示されており、深部体温と睡眠の関係を表している。

冬の快眠には、寝室の温度はやや低め(16〜19℃)が最適。深部体温が自然に下がることで入眠がスムーズになります。


5. 今日から始める「冬の睡眠ルーティン」まとめ

最後に、毎日の習慣としてまとめます。

(リストボックス/囲み枠推奨)

  1. 夕食は18時に終える 消化を睡眠に重ねないことで、深部体温の自然下降を促します。

  2. 20時以降は光量を落とす 天井の照明を消し、間接照明や暖色ライトに切り替えましょう。

  3. 寝室は 16〜19℃ に設定 暖房は寝る前に切るか、弱く設定。布団の中で体温調整できるようにします。

  4. 寝る前のルーティン 軽い深呼吸、5分間の静座、肩甲骨のストレッチなどを行いましょう。


6. 整体師として伝えたい“核心”

睡眠とは、背骨と自律神経の「夜のメンテナンス時間」です。

冬は、背骨の柔軟性が低下しやすく、交感神経のスイッチが切れにくくなる季節。

つまり、「冬の睡眠の質=背骨の柔軟性」 が大きく左右するということです。

胸椎・肋骨・横隔膜の可動を回復させる施術は、冬の睡眠トラブルに最も効果があります。

あなたが今、「夜眠れない」「朝起きられない」「疲れが取れない」という状態なら、背骨・肋骨・横隔膜の調整は大きな価値があります。

まとめ:冬の睡眠は“夜の準備”で決まる

冬の睡眠は、以下の3つだけで見違えるほど変わります。

  • 18時の夕食

  • 夜の光の調整

  • 寝室の温度管理

睡眠が整えば、姿勢も、自律神経も、感情も、免疫も整っていきます。 冬こそ、“夜の整え方” を変えていきましょう。

必要であれば、背骨の可動域チェックや睡眠カウンセリングも行っています。お気軽にご相談ください。