神経整体ー“層”と“連鎖”を見抜いて整える、新しい身体戦略
2025年07月23日
神経整体──“層”と“連鎖”を見抜いて整える、新しい身体戦略
あなたは「痛みのある場所=原因の場所」だと思っていませんか?
神経整体の一部の概念では、そのような単純な見立てでは捉えられない「運動連鎖」と「層構造」にも注目しています。
表面だけでなく、筋・骨・神経・内臓といった多層的なレイヤー(層)にアクセスし、全身の“誤作動”を根本から解いていく施術
それが、神経整体の真髄です。
神経整体の核である「運動連鎖」と「層の概念」にフォーカスしながら、施術の考え方や臨床での変化、そして現代人に必要な身体認識のアップデートについて詳しく解説します。
■ なぜ「層」と「連鎖」に着目するのか?
私たちの身体は単なる筋肉や骨の集合体ではありません。
神経、筋膜、骨、内臓、皮膚、自律神経…
これらが階層的(レイヤー)に重なり合いながら、同時に連動して働くという“構造と機能”のダイナミズムの中に存在しています。
◎「層」=どこに働きかけるか
- 筋肉の張力の層
- 骨の関節構造・荷重ベクトルの層
- 神経伝達の層(感覚・運動・自律)
- 内臓支持・反射の層
- 情動や呼吸の層
◎「連鎖」=どこから始まり、どこへ伝わっているか
- 下肢から骨盤 → 頸椎 → 顎への力の連動
- 皮膚や筋膜の張力が呼吸や姿勢に与える影響
- 骨盤の歪みが脳幹反射や眼球運動に影響することもある
局所だけを見るのではなく、「どの層が誤作動しているのか」「どこから連鎖が破綻しているのか」を読み解く視点が、神経整体の出発点です。
例:肩の痛みは“どこから連鎖しているか?”
- 患者が「肩が痛い」と訴えても、問題の発信源がそこにあるとは限りません。
- 実は骨盤が後方変位 → 胸郭が前方に沈む → 肩甲骨が巻き込まれる → 肩関節に圧縮がかかる
- もしくは咀嚼筋の過緊張 → 顎の捻れ → 上部頸椎の偏位 → 肩の動作神経が制限されている
このように、表面的な筋肉の硬さや関節の可動域の狭さの“奥”に、深い層の誤作動が潜んでいることが多々あります。
■ 神経整体のアプローチ構造
①【スキャン】身体の“流れ”を見る
まずは皮膚、筋膜、重心ライン、ベクトルの通電感覚をスキャンします。
感覚神経や運動神経の「通電エラー」を感知することで、どの層のどのルートが破綻しているかを読み解きます。
②【反射】無意識の反応を引き出す
神経は“自動化された反応”をつかさどります。
軽い皮膚ベクトルや回旋操作により、筋や骨の層から神経反射を引き出すことで、表層的な動きだけでなく奥の神経層が反応し始めます。
③【連動操作】層をまたいで整える
一つのベクトルで複数の層が連動するのが神経整体の特徴。
たとえば「腸骨の後方変位」に対して触れながら、肩関節が開きやすくなるといった、“離れた連動”がよく起こります。
■ 症例紹介①:片頭痛・息苦しさの改善
40代女性。片頭痛と呼吸の浅さ、腰痛で来院。
頭部への直接施術はせず、骨盤後傾の修正と横隔膜の緊張解除、さらに後頭下筋群の皮膚連動を利用。
→ 1回の施術で呼吸が深くなり、頭部の重だるさが軽減。
■ 症例紹介②:慢性腰痛が「後頭骨の捻れ」で改善
30代男性、慢性腰痛。
腰部の筋緊張は軽度だが、外後頭隆起の左右差と上部頸椎の連動不全を確認。
→ 後頭部の軽い皮膚牽引と顎・骨盤の連動操作により、骨盤前傾が回復。腰の可動域と痛みが大幅に改善。
■ 神経整体が描く“身体の未来地図”
神経整体の魅力は、「治す」ことにとどまりません。
感覚と運動の再統合による運動の質の向上
身体を“内側から使える”ようになる自己調整力の回復
呼吸・内臓・自律神経を巻き込んだ身体知の再教育
つまり、“治療”と“再学習”を同時に行うアプローチなのです。
■ まとめ:神経整体とは、深層を見抜く知覚と技術である
表層のコリに惑わされず、
関節の音に一喜一憂せず、身体の深い層の“意味ある誤作動”に静かに耳を澄ませる。
それが神経整体の世界です。
もし、これまでのアプローチで「何か足りない」と感じていたなら、
層を見抜き、連鎖を読み解く視点から、あなたの身体を見直してみませんか?
当院では、神経整体をベースに、一人ひとりの身体の“構造・層・反応”を見極めた施術を行っています。
初回は細かくスキャンと問診を行い、施術と変化の実感を大切にしています。
ご予約・お問い合わせはLINEまたはお電話からどうぞ。

