交通事故で治療をしたい方へ
2017年03月15日
交通事故のしくみ「自賠責保険」
交通事故に合われてしまった場合、多くのケースで自賠責保険を利用して通院をされます。
今回は自賠責保険の仕組みについてお話をさせて頂きます。
少し難しい話もあります。
ごめんなさい( ゚Д゚)
自賠責保険、正式には自動車損害賠償責任保険と言います。
公道を走るすべての自動車やバイク(原付含む)に加入が義務づけられており、一般に「強制保険」と呼ばれているものです。
交通事故の被害者が、泣き寝入りすることなく最低限の補償を受けられるよう、被害者救済を目的に国が始めた保険制度です。
自賠責保険に加入していないと法律によって処罰されます。
50万円以下の罰金もしくは1年未満の懲役
+
違反点数6点、免許停止処分
が科されます。
それと車検を受けることが出来ません。
自賠責保険は被害者の保護を目的としています。
本来は保険の契約者である加害者が保険金の請求(加害者請求)を行うのですが、被害者も自賠責保険に対して請求(被害者請求)できます。
先ほども書いたのですが自動車事故の被害者救済が目的であり、補償される範囲は対人事故の賠償損害のみになります。
被害者が請求を行う場合は保険金の請求ではなく損害賠償の請求と呼ばれますが、被害者にとっては同じ金額が補償されます。
支払限度額は被害にあわれた方1名につき次のとおりとなります。
死亡事故の場合 最高3000万円まで
後遺障害の場合 最高4000万円まで
傷害による損害 120万円まで
あくまでも被害者に対して最低限の補償が得られるものであり、交通事故の複雑性を考えると任意保険に入られていた方がいいですね。
詳しくは・・・自動車安全総合情報をご確認ください。
任意保険とは?
幅広い補償で色々と組み合わせることができます。
相手のクルマが故障したり、ガードレールを壊してしまったり、民家の塀を突き破ってしまうかもしれません。
最近では重大な事故の場合に多額の慰謝料を請求されるケースも増えてきています。
自賠責保険だけでカバーできない金額、補償は任意保険で補うようにしましょう。
ただ残念なことに任意保険に加入されている方は全体の7割前後と言われています。
3割の方が任意保険に未加入という事実です。
将来的に自動運転技術の発達で交通事故自体は減少するかもしれません。
喜ばしいことです。
現在のクルマ社会では任意保険の加入は必要だと思います。
自分は大丈夫だから・・・というのは止めましょう。
それと覚えておいてほしいのが、「自分がやってしまったときに使える保険」と「自分がやられた時にも使える保険」としても備えておいてほしいということです。
任意保険の一つでもある「人身傷害保険」についてです。
「でも等級が下がったりして、保険料がアップしたりするんじゃないの?」という声が聞こえてきそうなので説明させていただきます。
この制度で等級ダウンするのは以下の3つです。
・対物賠償で支払いが発生した時
・対人賠償で「自賠責保険の治療にかかわる損害120万円」を超えて支払いが発生した時
・車両保険で「等級プロテクト」、「等級据え置き」などの制度以外で支払いが発生した時
になります。
他にも、弁護士特約、搭乗者傷害、人身傷害の使用は等級ダウンに繋がりません。
こちらに詳しく書いてあるのでご参考までに・・・自動車保険のノンフリート等級制度とは
交通事故でケガをしてしまったら・・・
難しいお話で文字数も増えてしまったので最後は手短にお話をさせて頂きます。
もし交通事故に合われてしまったら、病院で精密検査を受けてください。
以前のブログにも書いたのですが、早期治療が早期回復に繋がります。
3週間も過ぎてから治療を開始しようとしても軟部組織が固定化されてしまい、治りも悪くなります。
それだけでなく交通事故との因果関係を証明することも難しくなってしまうケースもありますのでご注意ください。