結論を急ぎすぎると・・・

2017年09月23日

カラダに答えを求め過ぎないこと

初めて来院される方の中に、本当にたまぁ~にですが症状を決めつける、自身で結論を決めつけてしまっている方がいらっしゃいます。

専門用語を離される方もいらっしゃって驚かされる時もありますね。

正直、一部の医学知識であれば自分よりも詳しい方もいらっしゃいます。

最近ではご自身やご家族が病気になられてしまったので医学用語をインターネットなどを使ってご自身で調べられる方、テレビの影響などによって多くの情報を得られる方など、各々の環境によって様々な情報を得られていらっしゃるんだなと関心します。

年齢層によっても知識に偏りが出てきているのは感じます。

年配の方だとテレビからの情報が多いですね。

若年層だとネットからの情報を得られているような感じです。

スマホを使えば音声検索なども出来るようになってきているので、医学・医療が身近な存在となってきている感じがします。

10年前よりも、垣根が低くなってきているなと。

結果、クライアントご自身が「この症状であれば○○だよ!」って決めつけられて来院されるケースが最近増えてきています。

正しい知識を得られている場合もあると思いますが、間違えてしまっているケースの場合は修正するのにも否定から入るのではなく、受け入れて修正を加えるような形を取らざるを得ないという回り道になってしまいます。

 

先日も巨人の沢村投手が「鍼灸治療により長胸神経損傷」を起こしてしまったという記事が多くの新聞などによって紹介されました。

患者さんからも「しってる?」って何回か聞かれました。

勿論してますよ~(*”▽”)

この長胸神経が支配している筋肉とは、脇の下にある前鋸筋という筋肉なのですが、本当に鍼灸治療によって引き起こされてしまった症状なのか正直疑問に感じます。

以前、テレビなどで沢村投手の筋トレシーンが映し出されていたのですが、マウスピースをはめて顔面紅潮を起こすほどの状態で筋トレをされていました。

こんな感じです。

率直な感想としては、筋トレのオーバートレーニングor斜角筋を含めた筋肉への負担が大きく、胸郭出口症候群になってしまいそうなトレーニング強度だなと感じます。

仮説として、胸郭出口症候群を引き起こしてしまっていた土壌があり、その状態を打破しようとして鍼灸治療を選択し、状態が改善せずに医師に診断を求めたところ、長胸神経麻痺を起こしているという診断を受けてしまったのかもしれません。

記事にされることによって多くの一般の方々に「鍼灸治療によって引き起こされてしまった症状だ」と認知されることになりました。

こういった情報も後々修正されることもあるのですが、やはり最初に報道された情報の方がインパクトが強いので、修正されたとしても記憶には残らない可能性があります。

鍼灸業界が巨人軍に質問書を提出して、どういった経緯が元でこういった報道になったのか業界全体で問題に取り組もうとしています。

情報社会で様々な医学情報が簡単に知れるようになった世の中だからこそ、情報を発信する側の責任なども問われる世の中になってきています。

情報を受け取る側の人間もある程度の知識がなければ、情報に踊らされてしまい誤った健康情報を実践してしまう可能性すらあります。

今回も答えを「鍼灸治療による長胸神経麻痺」と安易に導いてしまったことによって様々な弊害が今後予想される事態となっています。

鍼灸を受けられる機会が減少してしまうことは残念でなりません。

自分は鍼灸免許を持っていませんが、健康産業に携わる者としてこの問題に取り組まなければ害があるものとして捉えれてしまっては損失ですからね。

今回のブログは、知り合いの先生方と意見交換をしていて感じたことをまとめてみました。

ちょっと気になる点が多々あるので、また時間が出来たらブログに載せたいと思います。

*前鋸筋へアプローチするためには肋骨を引き上げることが大切です