アキレス腱周囲滑液包炎

2017年03月14日

アキレス腱が痛い

先日、陸上競技をしている女の子がアキレス腱が痛いということで来院されました。

よく見てみるとアキレス腱部の炎症というよりも、もっと踵寄りに痛みが出ていました。

このようなケースの場合はアキレス腱滑液包炎を疑います。

アキレス腱と踵の骨の間には、滑らかに動かせるよう、摩擦を発生させないための滑液包という水風船のようなものが存在します。

あまり聞きなれないとは思いますが、この滑液包は実は全身の関節に分布しています。

大切なポイントなのでもう一度言いますね。

この滑液包は関節の動きをスムーズに促すための働きをしてくれています。

代表的な部分は肘の伸側、股関節外側の大転子部、膝関節の前面、足関節の前外側などにあります。

膝に水が溜まるというのも、この滑液包に水ぶくれのように滑液が溜まってしまっている状態を指します。

炎症を抑えようと滑液が過剰に漏れ出している状態でもあります。

正しい動かし方を関節に覚えさせないまま、水だけを抜いたとしても再発する可能性も高いので気をつけましょうね。

関節の正しい動きが出来ていないと関節の摩擦係数が高まり、この滑液包自体が炎症を起こしてしまいます。

何度も滑液包炎を繰り返してしまうと慢性的な状態になってしまい、手術で滑液包の切除を行うというケースもございます。

アキレス腱の下のほうの脇が痛かったりします。

アキレス腱炎とアキレス腱滑液包炎の違い

この2つの違いは痛みが出ている場所が違ってきます。

アキレス腱炎の場合は内くるぶし、外くるぶしの間くらいの部分が痛みます。

アキレス腱滑液包炎の場合はそれよりも踵寄りの部分が痛みます。

気を付けるべきはアキレス腱のストレッチは控えてほしいということです。

炎症を起こしているタイミングでストレッチを加えることで炎症を広げてしまい、治るまでに時間がかかってしまうからです。

ふくらはぎや足裏のケアを含めて周囲の関節や筋肉の負担を取り除き、重心にも気を付けていただくことと安静が一番です。

踵が曲がって見えるという方は要注意です!
気をつけましょう!